[2]「がんの特効薬は発見済みだ」

上記は、岡崎公彦先生の著された御本の書名です。として、以下には、その中の肝と思える部分を抜書きさせていただきました。

         「がんの特効薬は発見済みだ」からの引用

 

  さて、肝心の特効薬の発見者について――。

 私は、一九八七年頃、元・毎日新聞の経済記者・小泉貞彦氏の著作になる「第三の制がん剤・ベンズアルデヒド」(かや書房)という書籍を読み、そこで初めて東風(こち)睦之(むつゆき)博士の実績を知りました。

 東風博士は、一九八五年五月、米国国立スローンケタリングがん研究所の機関誌に、制がん剤に関する論文を発表されました。その論文の骨子は、次のとおりです。

 

 東風博士は、イチジク抽出液からハツカネズミの腹水がんの移植阻害に有効な成分を分離し、これをベンズアルデヒドと同定しました。この物質は、揮発性の有機溶媒なので、ブドウ糖と化合させて水溶性としたのち、末期がん患者六十五名を対象として、がん治療効果を調べました。

 その結果、五十五パーセントという高い有効率を得たのです。副作用も皆無でした。

 これは、明らかに、画期的な世紀の「大発見」です。有効率が五十五パーセントというのは、特効薬としては低すぎると思う方もおられるかもしれませんが、対象が末期がん患者であるということを考慮すれば、五十五パーセントといえども、素晴らしい成果とみなせるのです。

 このように、がん治療学上の大発見が、米国国立スローンケタリングがん研究所の機関誌という、国際的に権威ある学術誌に掲載されたのですから、数多くの追治験が実施され、報告されるのが当然です。

 ところが、なぜか皆無なのです。

 実は、この事実の裏には、複雑な医学界の「事情」が潜んでいたのです。

 私自身も、肺がん完治の一例を、「がん特効薬候補者・パラヒドロキシベンズアルデヒド」と題した英論文にまとめ、フィラデルフィアのペンシルベニア大学医学部教授が編集長を務める学術誌に投稿したのですが、そのとき、明確な理由も示されずに、「受理できない」という決定が送られてきました。メールで苦情を述べると、編集長から質問が一つだけあるとのこと。そこで、その質問に丁寧に応答しましたが、それ以後、何一つ連絡がありませんでした。

要するに、この「特効薬」の追治験論文は、受理されないのです。

その後、現在に至るまで、追治験の報告は国内的にも国際的にも一切ないと断言できます。

 

このような次第で、東風博士の貴重な論文が、国内外で評価されないばかりか、それを発展させて治療に役立てる努力もなされなかったのです。何らかの事情で封印された、といっても過言ではありません。

私は、この論文の整合性と価値を見抜き、東風博士が経営される一条会病院へ、二カ月の短期間でしたが、勤務医として参加し、その治療の成果を自分の目で確かめました。確かめ得たことは、一般的にがん病棟につきものの、多くの患者が死に瀕するというくらい雰囲気が全くなく、全患者が回復期という明るい雰囲気が支配していたということです。

  3.「特効薬」を認めない背景

 論文に欠陥がある場合は、その旨、明確に知らされるのが通例です。何の理由も示さずに無視する姿勢には、複雑な理由が絡んでいるのです。一般の人々には理解しがたい背景があるのです。

それを、ここではっきりとさせましょう。

がん学界の権威と言われる人で、私の知人でもある某氏は、ベンズアルデヒドのことをよく知り、本音としてはその効能を認めていることを私は知っています。

 ところが、彼だけでなく、すべてのがん学界の重鎮が、ベンズアルデヒドを「がん特効薬」として認めたくても認められない理由があるのです。

 それは、いったい何でしょうか。

 項を改めて後にも述べようと思いますが、ひと言でいうならば、そこには人間の卑しい〝欲〟が絡んでいるのです。

 もし、それを認めたらどうなるでしょうか。世界中のがんセンター、がん研究所の研究目標が消滅してしまいます。だからこそ、画期的な発見がなされてはいけないのです。

 彼らは、寝る間も惜しんで「がん治療法」を日夜、研究しているはずですが、そんな彼らにとって、そんな簡単に「がん特効薬」などが発見され、普及しては困るのです。

 画期的な治療法が発見されないように願いながら、治療法を研究しているというのですから、常人には到底理解できません。自己矛盾もいいところです。

 

 人類は「真理」を求めて努力し、長い年月をかけて今日の文化・文明を築いてきました。現代社会にあっても、その姿勢は変わらないと誰しも信じています。

 しかし、現代の社会を支配している「見えざるマインド」は、正義に基づいた純粋で崇高なものではありません。そういった意味で、現代社会は、極端に〝病んで〟いるのです。

 権力を持った人々ほど、お金や利権や名声を求めてうごめいています。一度得た利権、あるいは快適な境遇を確保すること以上に価値あるものは、彼らには存在しないのでしょう。真理も正義も及ばないのです。

 この「冷厳な事実」を認めない限り、あなたの命も安全ではありません。本来なら助かる命が、いつなんどき奪われたり、短くさせられてしまったりするかもしれない危険にさらされるのです。

 

 人々を助けるべき「医学」の名のもとに、それを施す医師の多くは、悪意からではなく、与えられた知識と経験に基づき、真面目に処置、処方しています。醜い真相を知らないからです。そして、患者の多くは、「がんに罹ったら切除手術か抗がん剤投与しか方法がない。」と信じ切っています。

 そのおかげで、関係機関および関係者には収入が保証され、生活が成り立っています。製薬会社は、抗がん剤で潤っています。

ある抗がん剤が、がん治療に有効かどうかは、問題ではありません。ほかに手立てはないと信じる患者は、効こうが効かなかろうが、文句なしに医師の指示に従って、抗がん剤投与を受けるからです。

 最近になって、ようやく、抗がん剤投与に疑問を示す患者も増えつつありますが、一時は、製薬会社にとって抗がん剤はドル箱でした。日本だけでも、医療費は年間三十兆円を超えています。年々増加していく個人負担の「健康保険費」は、いつかは破綻を迎えるでしょう。

 保険料や医療費に苦しみながら、一方では、何の疑問も抱かず、医師に言われるままに「誓約書」を書いて、身体を傷害する処置をしてもらっているのが現状です。他人事(ひとごと)ではありません。それは、「がん」だと宣告された患者の大半はたどる道なのです。

 自分が救われたいばかりに、医者の治療を信じ込み、命を捨てる――このような現状を、医学界の内側から見てきた私が、このまま黙って「あの世」へ旅立てない理由がおわかりいただけたでしょうか。

 本書を書いたからといって、私自身の利得につながるものは何もありませんし、いまさら、名誉のためでもありません。人類の一員として、あまりにも嘆かわしいからです。医学の道に志した私の、「良心」が許さないからです。

 

 東風博士は自ら病院経営をされましたが、この画期的ながん治療法を、広く世界に知らしめる努力はされませんでした。それは、今お伝えしたように、あまりにも不可解な、というか、理不尽な抵抗に遭うことを承知して居られたからです。

 きっと博士は、いろいろと難癖をつけて理解を示さない医学界に対して、それでも孤軍奮闘すれば、やがて怒りの感情を爆発させて、気が変になることを予測されていたのかもしれません。

 岡崎公彦(2011 がんの特効薬は発見済みだ! たま出版